メイン

2008年6月 アーカイブ

2008年6月24日

非常識な数字。

スポーツには、計算し尽くされた「数字」の仕掛けが存在する。その仕掛けが、競技の難易度を上げ、ゲーム性を高めている。

サッカーのゴールマウスの大きさは、よく例に挙げられる数字の「仕掛け」のひとつだろう。シュートの速度、強度。それに対するゴールキーパーの反応力、筋力。この組み合わせが、サッカーという競技に1点の重みをつくっていく。放たれたシュートがどんなに速く、強いものでも、それを得点させないキーパーがいる。キーパーが止められなくても、なぜかバー、ポストが、ボールを跳ね返し、ゴールマウスをしっかり守ることがある。なぜ、ゴールの大きさはあのサイズに決められたのだろう。絶妙の大きさである。サッカーの歴史を語る上で、このゴールの大きさ(ゴールポストの内側7.32m、クロスバーの内側の高さ2.44m、ゴールポスト、クロスバーの幅、厚さ12cm以内)が果たしてきた役割は、あまりにも大きい。入るも入らないも、時の運。しかし、幸運も不運も、あの小さくもなく、大きすぎもしない、ゴールマウスによって左右されているのである。

野球を見ていて気づくのは、まず塁間の距離(27.431m)である。打者が打って走る、転がったボールを野手が捕って一塁へ送球する。人の走る速さ、ボールの転がる速度、野手がボールを捕り投げるために要する時間。この三つの数字が、すばらしい割合で計算されている。普通のゴロは間違いなくアウトになる、しかし野手の間に転がると、今度はアウトかセーフか、微妙なタイミングになる。聴衆はこの計算された一瞬に固唾をのむ。
盗塁の成否は、ある意味、野球の醍醐味である。足の速いランナー、牽制のうまいピッチャー、肩の強いキャッチャーとの相関関係で成り立つ面白みだが、ここにも計算された意地の悪い数字(本塁と二塁との距離38.795m)が存在する。タッチが早いか、足が早いか。きわどいタイミングをつくっているのは、数字の仕掛けだ。

ピッチャーズマウンドとホームプレートの距離(18.44m)も侮れない。ピッチャーから投げられる時速150kmを超す目にも止まらぬ速さのボール。この火の玉をバッターが打ち返せるのは、なぜだろう。距離、数字の仕業がここにも潜んでいるとしか考えられない。仮にピッチャーズプレートの位置が、20センチ前後したら、野球がこれほど興奮させられるスポーツになっていただろうか。そうとうに疑わしい。
ストライクとボールの数が違うのは、なぜだろう。打撃戦は見ていて面白いが、余りにも点の入りすぎる野球はゲーム性をおとしめる。恐らくそこを考えてのことだと思うが、3ストライクで三振、だがフォアボールは言葉の通り4つのボールが必要になる。敢えていえば、最初からピッチャーが有利になるようにストライクとボールの間にハンデを設定している。しかしこのハンデが野球という競技をバランスよくコントロールしているのだから、面白い。バッターの打率が4割をなかなか超えないのは、このハンデのためだと私は思っている。
42.195kmのマラソンも、40kmでは、ドラマは生まれない。歴史の示す距離ではあるけれど、この端数が、競技の中で出来心のようにイタズラをしでかす。

パー72。ゴルフの数字もまた、不思議な数だ。2、3、4、6、8、9、12、18、36と数多くの約数を持つ72ほど、割り切れないものもない。100を切る、90を切る、とよく雑誌などで言われるアマチュアの関所は、この72から生まれてきている。

210ヤードのパー3を長いと思うのか、別に、と感じるのか。ここにも数字のマジックが存在する。手にするクラブ、それが、ウッドなのか、ユーティリティなのか、それともeggなのか。別に、と感じるのには、それなりの理由がある。

210ヤード、何番で打ちますか。


photo76.jpg

野球が好きなのでよく神宮球場へ行く。ビールを飲みながらの観戦は格別である。が、あの、応援はなんとかならないものか。鐘、太鼓、トランペット。打球音、ミットに吸い込まれるボールのパーンという音。野球のシズル、すべてを消してしまうあの非常識にはガマンがならない。


photo77.jpg

210ヤードのパー3。一日を振り返ってみると、130ヤードのパー3は乗らず、210ヤードはピンそばに乗せた、なんていうこともある。さて、さて。

egg

EGG

人生歴50数年、ゴルフ歴20数年。野球少年からバスケットボール、そして草野球に燃えるも、結局はゴルフに執心する、ある意味典型的日本人。
詳しくはこちら→

カレンダー

2011年7月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31