非常識な蚊。
地下鉄で冬の蚊を見た。東京は暖かいので、寒い時期も地下で繁殖を続けている、という話をどこかで聞いた。
ふわっと飛んで、その蚊はコート、マフラー、帽子へと、混み合う乗客の間を綿花のように飛行する。なんとものんびりした動きで、見ている少しの間、そこが電車の中であることを忘れてしまった。
やはりこの寒い時期に生きている、不思議さ、健気さに引き込まれてしまうのだろうか。感傷的になるわけでもないが「冬の蚊」と書くと、なにやら小説か戯曲のタイトルにもなりそうではないか。これが夏だったら、単に害虫が現れただけ、不快感しか残らないのだろう。
しかし、蚊から見ると、人はどのくらい巨大に見えるものなのか。人と鯨の関係か、いや、もっと大きいのかもしれない。その間を飛び回るのだから、その度胸たるや、相当なものだ。(「蚊の度胸」というのも映画のタイトルになりそうだが)
血の匂いに吸い寄せられて人のそばに来るのだろうが、ドラキュラならともかく、ピシャッとやられれば一巻の終わり。朝青龍と相撲を取るより分が悪い。キミらを怖がって逃げ出す男など、私の友人「スズキ」ぐらいだぞ、と蚊に教えてあげたい。
つぶされるのだから、人に寄ってこなければいいのだが、恐怖心などないのだろう。未来を想像、予測する機能が、蚊の脳(どれだけの大きさなのかわからないが)には備わっていないということだ、当然だが。
と、なると、「私は、カイになりたい」ではなく、私は、カになりたいと思う。
ティグラウンドに立ってアドレスに入ろうとする。右の林がやけに近く見える。(林に入るんだろうな、いや絶対入る)いやいや、そうじゃない。左のOBに行くぞ。(あー、絶対に行く)
人の脳は、いいことと悪いことが、いっしょくたになって頭の中を駆けめぐる。いいことが想像できるときは、いいことだけがイメージできる。それしか思い浮かばない。ただし、一度でも悪いイメージができあがると、それがなかなかとれない。道路に捨てられたガムのようにへばりつく。そして、悪いことが的中することは、ままあることだ。
非常識だろうが、私は、蚊の脳ミソが欲しい。贅沢を言えば、ティショットの時だけは、蚊になってもいい。(情けない話になってしまった)
追記:「蚤の心臓」という言葉がある。蚤ほどの心臓しかない→肝っ玉が小さい、の例えなのだろうが、疑った方がいい。今日の話でわかったように、蚊と同じで、蚤の心臓は、人のそれよりも堂々としているようなのだ。従って、あいつは、蚤の心臓だからな、などと陰口を言うときは、今後、充分な注意が必要になるかもしれない。
175ヤード、何番で打ちますか?

冬らしい光景ですね、といいたいところだが、助けを求めているゴルファーに見えませんか。ドライバーを打ったときこれを見たegg manは、腰を抜かしそうになった。こ、この中には、人がいる。

200ヤードのしるしなのだろうが、わたしには、ボーダーの靴下をはいたモミの木にしか見えなかった。















